麻布十番という地名は1962(昭和37)年に麻布網代町、麻布坂下町の各全域と、麻布宮下町、麻布新網町、麻布南日ヶ窪町、麻布宮村町、麻布一本松町、麻布山元町、麻布新広尾町の一部の地名を改めた際に誕生した。十番という名は江戸時代に古川の改修工事を行う際、10番目の工夫を出したため、10番目の土置き場だった、10番目の工区だったなどいくつかの説がある。
洗練されたイメージの街の歴史
麻布十番に広がる「麻布十番商店街」は、「麻布山 善福寺」の門前町として江戸時代から栄えた歴史を持つ。善福寺は平安時代の824(天長元)年に弘法大師によって開山されたと伝えられる古刹で、鎌倉時代に親鸞聖人が訪れたことをきっかけに浄土真宗に改宗したという。今も残る樹齢750年を超えるイチョウの古木は、親鸞聖人が持っていた杖を地にさしたところ枝葉が繁茂したという伝説があり、都内最古の木として国指定の天然記念物になっている。
また、古川の水運が盛んだったころは今の麻布十番周辺が交通の要衝として栄え、麻布十番では物資の商いが行われるようになり、やがて「麻布十番商店街」が形成された。
活気を集めた「麻布十番商店街」だが、鉄道交通が主流の時代になると周辺に鉄道の駅がなく、バスでの移動が中心となったこともあり、鉄道駅周辺の街ほどのにぎわいは見られなくなった。しかし、これが“隠れ家”的な雰囲気をもたらし、独特の風情を楽しめる街として注目されるようになった。2000(平成12)年には東京メトロ南北線と都営地下鉄大江戸線の「麻布十番」駅が開業し、交通アクセスの利便性が向上。再び活気あふれる商店街として注目を集めるようになった。
江戸時代創業の老舗が集う
300年以上の歴史を誇る「麻布十番商店街」には、蕎麦の「永坂更科布屋太兵衛 麻布総本店」や豆菓子の「豆源 麻布十番本店」、たい焼きの「浪花家総本店」など老舗の店が多く営業を続けているほか、近年は話題の新しい店も増え、さらに魅力を増している。
活気あふれる地元のイベント
「麻布十番商店街」は節分や花まつり、秋まつり、除夜の鐘など祭りが多く開催されていることでも有名だ。とくに夏の「麻布十番納涼まつり」では商店街に数えきれないほどの出店が並び、毎年大いに盛り上がるという。晩秋の「酉の市バザール」、7月と年末に行われる「ほほえみセール」などお得な品を購入できるイベントが多いことも人気だ。
懐かしさと活気が入り混じる「麻布十番商店街」には、都内でもここにしかない魅力があふれている。
センスの良さと懐かしさが共存する「麻布十番商店街」
所在地:東京都港区