長く受け継いできた歴史と時代に合わせた進化が融合
東京23区のほぼ中央、新宿区と千代田区にまたがる四谷・麹町エリアは、かつて大名屋敷が建ち並んでいたという。明治維新後は広い敷地を持つ武家屋敷跡地に教育施設が進出し、文教エリアとして発展。一部の武家屋敷跡地では住宅地の開発が行われ、邸宅街としても知られるようになった。今も四谷・麹町エリアには深い歴史と文化に彩られた落ち着きのあるまちなみが広がる。近年は複数の再開発が行われ、時代の変化に合わわせて新たな魅力も加わっている。
四谷の新たなランドマークとなった複合ビル「ソフィアタワー」
四谷・麹町エリアを代表する教育施設が「上智大学 四谷キャンパス」だ。この「上智大学四谷キャンパス」ではキャンパス内の再開発が行われ、2017(平成29)年に6号館として地上17階・地下1階の「ソフィアタワー」が完成した。「ソフィアタワー」は隣接する「カトリック麹町 聖イグナチオ教会」と調和するデザインで建てられている。
「ソフィアタワー」の低層階には言語教育を担う「言語教育研究センター」をはじめ、800人を収容できる大教室など「上智大学」の施設として使われ、上層部がオフィスが入る複合ビルになった。1階エントランスホールには「上智大学」や周辺エリアの歴史や文化を展示するスペースが設けられたほか、麹町大通り沿いには広場も誕生し、四谷・麹町エリアの歴史を伝え、まちに潤いを加える役割も果たす。
「四ツ谷」駅西側には新しいまち「CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)」が誕生
「四ツ谷」駅の西側でも「四谷駅前地区第一種市街地再開発事業」が行われ、2020(令和2)年に地上31階・地下3階の再開発ビル「CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷)」が誕生した。ここにはオフィスやマンションのほか、ショッピングゾーン「CO・MO・RE Mall(コモレモール)」が入り、四谷・麹町エリアの買い物の魅力が高まった。公共施設「四谷スポーツスクエア」、文化交流拠点「四谷クルーセ」も併設されており、スポーツや文化にも気軽に親しめるようになっている。
ハイクラスホテルや高級賃貸マンションを併せ持つ「東京ガーデンテラス紀尾井町」
「四ツ谷」駅の南側にあり、都内を代表するホテルとして親しまれた「グランドプリンスホテル赤坂」は2011(平成23)年に惜しまれつつ閉館となり、跡地では再開発が行われた。5年間の工事を経て、2016(平成28)年にはプリンスホテルの最上位ブランドである「ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町」をはじめショッピング施設やオフィスが入る「紀尾井タワー」と高級賃貸マンション「紀尾井レジデンス」からなる複合施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」が誕生している。
「赤坂プリンスホテル」の旧館として使われていた洋館「旧李王家東京邸」は移築され、「赤坂プリンス クラシックハウス」と名付けられたレストランや宴会場、結婚式場になっている。
「国立劇場」は建て替えでホテルなどを併設する複合施設へ
内堀通りに面して建ち、伝統芸能伝承の拠点として親しまれてきた「国立劇場」は開場から50年以上経過し、老朽化が指摘されるようになってきた。そこで、劇場の建て替えを計画。2023(令和5)年10月末にいったん劇場を閉場し、関連するすべての建物を解体して新たな施設をつくることが決まった。完成は2029(令和11)年秋の予定で、現在と同規模の劇場のほか、建物の一部にホテルなどを導入するという。
さらなる発展が確実視される四谷・麹町エリアでは今後の変化から目が離せそうにない。
再開発の進捗でまちに新たな魅力が加わった四谷・麹町エリア
所在地:東京都新宿区