再開発や新施設のオープンで大きく発展
「広島」駅は山陽鉄道(現・JR山陽線)の終点として1894(明治27)年に開設された。その後、現在のJR呉線、JR芸備線、JR可部線、広島電鉄も乗り入れるようになり、広島県最大のターミナルへ発展。1975(昭和50)年には山陽新幹線も開通している。
近年は「広島」駅周辺の再開発が盛んに行われ、利便性が大幅に向上した。現在も駅ビルや広島電鉄の停留場移転などが進められており、さらなる発展も期待されている。
広島カープの新たな本拠地「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」
広島カープの本拠地として使われていた旧「広島市民球場」は老朽化が進んでいたことから、「広島」駅の南にあった貨物駅跡地に新球場が整備されることになった。
新球場は2009(平成21)年に「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」としてオープン。臨場感あふれるスタンドには多彩なシートが設けられ、山陽新幹線からも球場内の風景を望めるように設計されている。試合開催時には「広島」駅から球場に向けて、広島カープのユニフォームを着たファンでにぎわう。
土地区画整理事業で近代的な街並みに生まれ変わった「広島」駅新幹線口周辺
「広島」駅新幹線口周辺は長い間、国有地が広がり、その多くは有効に使われていなかった。そこで、「広島」駅に隣接するポテンシャルを活用するため、2010(平成22)年から二葉の里土地区画整理事業として、新たな街づくりが始まった。
二葉の里にはすでに「JR広島病院」や「広島がん高精度放射線治療センター」などの医療機関のほか、「広島コンベンションホール」がオープンしている。2017(平成29)年には「広島」駅の南口から新幹線口への自由通路が開通、エキナカショッピング施設「ekie」も誕生した。
再開発で高層ビルが集まる街になった「広島」駅南口
「広島」駅南口でも複数の再開発が進められた。駅前通り東側では2016(平成28)年にショッピング施設「BIG FRONTひろしま」などが入る「シティタワー広島」が完成したほか、2017(平成29)年にも大洲通り北側にショッピング施設「EKICITY HIROSHIMA」などからなる「グランクロスタワー広島」がオープンしている。
2022(令和4)年8月には旧「広島東郵便局」跡地にオフィスやショッピング施設が入る「広島JPビルディング」も誕生した。
新駅ビルと広島電鉄の乗り入れでさらに拠点性を増す
現在も「広島」駅では駅ビルの建て替えが進められている。新しい駅ビルは20階建てとなり、ショッピング施設のほかシネマコンプレックスやホテルも入る予定だ。
広島電鉄は駅前大橋経由に付け替えられ、「広島駅前」停留場は駅ビル内に移転する。これにより、「八丁堀」停留場方面への所要時間短縮が期待される。
併せて、駅前広場の再編も行われ、バスやタクシーの利用も便利になりそうだ。新しい駅ビルのオープンは2025(令和7)年春が予定されている。
今後も利便性を増すことが確実な「広島」駅周辺は、これからも広島の玄関口としての役割を担い続けていくだろう。