先進的な交通サービスが取り入れられ、利便性の高さが魅力の「自由が丘」駅の交通アクセス

東急東横線と東急大井町線が交わるクロスターミナル

「自由が丘」駅は東急東横線、東急大井町線が乗り入れる目黒区内最大のターミナルで、東急線の拠点のひとつにもなっている。この「自由が丘」駅は古くから先進的な交通サービスが展開されてきたことも特徴だ。

「自由が丘」駅は1927（昭和2）年の東京横浜電鉄（現・東急東横線）開通に伴って開設された。1929（昭和4）年には目黒蒲田電鉄大井町線（現・東急大井町線）も開通した。以来、「自由が丘」駅では東急大井町線が地上を走り、東急東横線が高架で交わるようになった。

今も東急大井町線と東急東横線のホームは階段1本で結ばれており、乗り換えも便利だ。「自由が丘」駅からは4方向にダイレクトアクセス可能という交通アクセスの利便性が魅力になっている。

4路線に乗り入れ、1都2県にダイレクトアクセス

東急東横線では1935（昭和10）年と古くから急行運転が始まった。時は下り、2001（平成13）年からは東急初の特急が運転を開始し、東急東横線は現在でも東急で唯一の特急が走る路線となっている。2017（平成29）年からは東急初の座席指定列車「S-TRAIN」が誕生し、注目を集めた。

また、2004（平成16）年からは東急東横線とみなとみらい線との直通が始まり、2013（平成25）年からは東京メトロ副都心線を経由して、東武東上線、西武池袋線への直通も開始されるなど、「自由が丘」駅からダイレクトアクセスできるエリアは大きく広がった。2023（令和5）年には、東急新横浜線（日吉駅～新横浜駅間）と相鉄新横浜線（西谷駅～新横浜駅間）が開業したことで、東急東横線からダイレクトに「新横浜」駅へアクセスできるだけでなく、相鉄線との相互直通運転も可能となっている。

急行の増結や有料座席指定サービスで快適移動を実現

東急大井町線でも2008（平成20）年に急行の運行が始まっている。翌年には大井町線が「溝の口」駅まで延伸され、2017（平成29）年から急行が7両編成に増結、2019（令和元）年から一部の急行が「中央林間」駅まで延伸されるなど、サービスの向上が相次いだ。

2018（平成30）年には夜の下り急行で有料座席指定サービス「Qシート」が始まり、座って帰宅できるようになったと好評を博している。

乗客のニーズに合わせてルートを変えていた「東急コーチ」

「自由が丘」駅から出る「駒大深沢キャンパス」行きと「東京医療センター」行きのバスは、もともと「東急コーチ」として開設された歴史を持つ。「東急コーチ」は1975（昭和50）年に始まった東急バス初のデマンドバスで、通常の運行ルートのほかに乗客の要望に応じて運行する迂回ルートが設定されていた。迂回ルートで降車する場合は乗車時に運転士に申告、迂回ルートで乗車する場合は停留所についている呼び出しボタンを押すとバスが迂回ルートを運行するシステムだ。

「東急コーチ」は住宅地の狭い道路に入り、停留所以外での降車も可能なフリー降車区間も設けられており、自宅から近い場所で降車できることから、高齢者の移動も快適になった。その後、「東急コーチ」は好評を博し、「用賀」駅、「鷺沼」駅、「青葉台」駅周辺にも拡大された。現在は迂回区間の運行頻度が多くなったこともあり、迂回ルートが通常の運行ルートとされ、一般のバス路線になったが、サービス向上の精神は息づいている。

先進的なサービスが積極的に導入されてきた「自由が丘」駅周辺。これにより得られる交通アクセスの利便性も自由が丘エリアの魅力を高めているといえるだろう。

先進的な交通サービスが取り入れられ、利便性の高さが魅力の「自由が丘」駅の交通アクセス
所在地：東京都目黒区