最先端のファッションのまちに漂う教養と文化の薫り
東京都港区と渋谷区の境界に位置する表参道エリアは、一流ブランドのショップが集まるなど上質なファッションのまちとして知られている。表参道エリア周辺には近隣には大学のキャンパスや文化施設も点在するため、文教エリアとしての性格も持ち、文化も身近なまちだ。
「表参道」駅付近に広がる「青山学院大学 青山キャンパス」
表参道エリアを代表する教育施設が「青山学院大学」だろう。「青山学院大学」を運営する青山学院は、アメリカのメソジスト監督派教会が日本に派遣した宣教師によって明治時代に創設された3つの学校「女子小学校」、「耕教学舎」、「美會神学校」を源流としている。改称や合同を経て、1883(明治16)年に現在地にて「東京英和学校」がスタート。1894(明治27)年に「青山学院」と改称された。
戦後の学制改革により新制大学の「青山学院大学」が誕生、キリスト教をベースとした教育を行っている。今も「青山キャンパス」は多くの学生が学ぶ「青山学院大学」のメインキャンパスだ。
国際研究のベースとなる「国連大学」
「青山学院大学 青山キャンパス」と青山通りを挟んで向かい側には世界的に重要な研究施設「国連大学」が置かれている。「国連大学」は国連の自治機関として1975(昭和50)年から活動を開始し、2010(平成22)年からは学位プログラムも始まり、修士、博士の学位も取得できるようになった。
「国連大学」は国連や国連加盟国のシンクタンク、世界中の研究者の共同研究の基盤となり、研究成果を国連活動に活かすことを目的としている。一般公開の講座やセミナーも開催されており、興味がある催しに参加するのも楽しい。
国宝や重要文化財も数多く所蔵する「根津美術館」
表参道エリアには文化施設も点在する。表参道交差点から南東に進むと、東武鉄道の社長などを務めた実業家である初代根津嘉一郎の古美術コレクションを展示する「根津美術館」がある。1940(昭和15)年に2代目根津嘉一郎が開館した長い歴史を持ち、尾形光琳の『燕子花図屏風』など多くの国宝、重要文化財を所蔵していることでも知られる。2009(平成21)年には、隈研吾氏が設計した新しい本館が完成した。
岡本太郎の息吹を感じられる「岡本太郎記念館」
「根津美術館」から少し南へ進んだ場所には「岡本太郎記念館」もある。ここは芸術家・岡本太郎が1954(昭和29)年から1996(平成8)年に没するまで暮らした自宅兼アトリエを改装して誕生した。
ユニークなデザインの建物はル・コルビュジェの弟子でもあった建築家、坂倉準三が設計したものだ。館内には岡本太郎の作品のほか、筆や絵具なども展示されており、制作風景を想像できる。
気軽に教養や芸術の薫りに触れられるのも表参道エリアの魅力のひとつだろう。
表参道エリアに気品と落ち着きを加える教育施設や文化施設
所在地:東京都港区