大阪市の中心地として栄えた中之島
大阪市北区中之島は梅田の南、「堂島川」と「土佐堀川」に挟まれた中洲に広がるエリアだ。
中之島の開発は、江戸幕府と豊臣家が戦った大坂の陣の後、豪商・淀屋常安によって始まった。淀屋常安は「土佐堀川」に橋を架け、米を商う市を開いた。この時架けられた橋が「淀屋橋」で、現在も地名などに名残を残している。こうして中之島には諸藩の蔵屋敷が集中するようになり、全国各地の物資が集まる「天下の台所・大坂」の中心地として発展を遂げた。
明治維新後、不要になった諸藩の蔵屋敷は払い下げられ、公共施設や教育機関などの用地として使われるようになり、大阪の中心地として重要な役割を果たし続けている。現在、中之島周辺には複数の高層ビルが建つ近代的な風景に生まれ変わりつつも、「堂島川」や「土佐堀川」の流れは変わらず、「水都大阪」のシンボル的存在になっている。
地元の人々で賑わう中之島公園
とくに中之島の東端に広がる「中之島公園」では、豊かな緑と川の流れを眺めながらジョギングや散歩を楽しめるとあって、多くの人々が訪れる。近年は川沿いにおしゃれなカフェやレストランが増え、仕事の合間のランチを楽しんだり、休日のバーベキューやクルーズなどリゾート気分を味わったりする姿も見られるようになった。中之島は桜の名所としても知られ、春には花見を楽しむ人も多い。また、夜はライトアップが行われ、夜空に浮かぶ橋とイルミネーションが人々の目を楽しませる。
水の都の象徴、大人の遊び場「中之島バンクス」
2010(平成22)年には、「玉江橋」と「堂島大橋」の間の「堂島川」左岸約400mの堤防上に、多彩な景観を楽しめる複合施設「中之島バンクス」がオープンし、注目を集めた。
大阪市中心部に居ながら、リゾート気分を楽しめる中之島。ここには他の街にはない魅力が満ちている。