「旧岩崎邸庭園」とは、1896(明治29)年に竣工した、三菱創設者の長男で第3代社長・岩崎久彌の本邸を公開している庭園のこと。鹿鳴館を手がけた英国人建築家、ジョサイア・コンドルの設計によるもので、かつては20棟あった建物も、今は洋館・撞球室・和館が現存するのみだが、それでも、往時の雰囲気を感じるには充分。地下室付きの木造2階建て、本格的なヨーロッパ式洋館は、随所に見事なジャコビアン様式の装飾が施されており、同時期に多く建てられた西洋建築にはない繊細なデザインが見られる。
撞球室(ビリヤード場)は、当時の日本では珍しいスイスの山小屋風木造建築。洋館とは地下道で繋がれており、洋館と結合された書院造りの和館は、明治を代表する日本画家・橋本雅邦が下絵を描いたと伝わる障壁画が現存している。また、大名庭園を一部踏襲する広大な庭は、建築様式と同じ和洋併置式。芝庭をもつ近代庭園の初期の形を今に伝える貴重な場所だ。
1961(昭和36)年に洋館と撞球室が、1969(昭和44)年に和館大広間と洋館東脇にある袖塀が、1999(平成11)年に煉瓦塀を含めた敷地全体と実測図が、国の重要文化財に指定されている。
旧岩崎邸庭園
所在地:東京都台東区池之端1、文京区湯島4
電話番号:03-3823-8340
開園時間:9:00~17:00(最終入園16:30)
休園日:年末年始(12/29~1/1)
https://www.tokyo-park.or.jp/park/format..