邸宅街ならではのスイーツの名店が集まる街

阪神間モダニズムで花開いたスイーツの文化

大阪市中心部と神戸市中心部の中間にある東灘区は、梅田に約20分、三宮に約10分でアクセスできることから古くより住宅地の開発が行われてきた。六甲山系と海岸線の間に開発された住宅地は豊かな自然に恵まれ、特に富裕層に好まれたという。今も邸宅街として知られる住宅地も多い。

今の東灘区ではもともと伝統的な和菓子の文化があったという。神戸開港をきっかけに西洋文化が取り入れられ、洋菓子の文化も発展するようになった。

明治末期から昭和初期にかけては東灘区を含む阪神間エリアの邸宅街を中心に「阪神間モダニズム」と呼ばれる独自の文化が育まれた。洋菓子は邸宅街での社交に欠かせないものとして重宝されていたそうだ。こうした背景から東灘区には洋菓子店が集まってきた。

東灘区のスイーツを満喫できるイベントも

今も東灘区には多くのスイーツ店があり「神戸ひがしなだスイーツ」として知られるようになった。2011（平成23）年から毎年秋には東灘区内のスイーツ店をめぐるイベント「神戸ひがしなだスイーツめぐり」が開催されている。このイベントではスイーツ店をめぐるスタンプラリーや、スイーツ店でのオリジナルスイーツ販売、スイーツ作り体験教室などが行われ、東灘区内だけでなく遠方からも多くの人々が参加する。

高級感あふれるスイーツの「マモン・エ・フィーユ」

東灘区にはスイーツの人気店も多い。なかでも「マモン・エ・フィーユ」はフランス風のスイーツ店として知られ、マドレーヌやフィナンシェなど伝統の焼き菓子の取り扱いが豊富だ。とくにビィスキュイの人気は高く、売り切れになっていることもしばしばある。

色とりどりのロールケーキが美しい「みかげ山手ロール」

「みかげ山手ロール」は阪急「御影」駅の南、山手幹線沿いに店を構える。その名の通り、店頭には多彩なロールケーキが並ぶ。定番のロールケーキに加え、月ごとの限定ロールケーキもあり、何度食べても飽きが来ない。

季節のケーキも楽しみになる「パティスリー ル カ」

「パティスリー ル カ」は東灘区の東端、芦屋市との境界付近にある夫婦で営むスイーツ店だ。定番のケーキのほか、季節の素材を使ったケーキ、ハロウィンやクリスマスなどイベントに合わせたケーキも登場する。人気のケーキは開店早々に売り切れることもあるという。

休日には東灘区の文化が育んだスイーツを訪ねて歩く。それもこの地に暮らす魅力の一つだろう。

邸宅街ならではのスイーツの名店が集まる街
所在地：兵庫県神戸市東灘区