大阪市北区中之島は「大阪市役所」をはじめ公共施設が集まり、大阪市の行政の中心地として機能している。
名建築が並ぶ中之島の行政施設
今も「大阪府立中之島図書館」や「大阪市中央公会堂」など明治時代に建てられた建物が多い。「大阪府立中之島図書館」は1904(明治37)年に建てられ、1922(大正11)年に左右両翼が増築されたものだ。ネオバロック様式で建てられたこの建物は現在も図書館として利用されており、1974(昭和49)年には国の重要文化財に指定されている。
「大阪府立中之島図書館」の隣に建つ「大阪市中央公会堂」も1918(大正7)年に完成した長い歴史を持つ建物だ。ネオバロック様式を基本にバロック様式の雄大さを取り入れた建物は、完成当時から各種の講演会などに利用されてきた。1999(平成11)年から耐震補強やバリアフリー化など保存・再生工事が行われ、2002(平成14)年には国の重要文化財の指定を受けた。
新旧の歴史が調和した街づくり
近年、中之島周辺では長い歴史を持つ建物を維持しながら、新たなビルを建築する動きが盛んになってきた。「日本銀行 大阪支店 旧館」は1903(明治36)年に「ベルギー国立銀行」をモデルに建設された洋風建築の建物の壁面と内部の一部を保存しつつ高層ビルが建てられている。予約すれば旧館の内部などの見学が可能だ。
「ダイビル本館」は1925(大正14)年に完成し、ネオ・ロマネスク様式が特徴的な旧「ダイビル」の部材を再利用して復元されている。
現在の「大阪市役所」は1986(昭和61)年に完成した4代目の建物だが、1つ前の3代目庁舎は堂々たるネオ・ルネッサンス様式の建物で、1921(大正10)年に完成、高さ約56mで、当時大阪市一の高さのビルだった。
また、「大阪朝日ビル」や「朝日新聞ビル」、「新朝日ビルディング」は2棟の超高層ビルからなる「中之島フェスティバルタワー」となり、中之島では新旧の名建築が立ち並ぶ洗練された街並みを楽しめるようになった。
中之島周辺では大阪府や大阪市などにより再生医療拠点や演劇場の開設を目指し再開発に動き始めており、今後のさらなる発展も期待されている。