神戸都心、大阪都心からアクセスしやすい人気行楽地
灘区の北には六甲山が広がる。六甲道という地名も六甲山への登山口として栄えたことに由来するという。現在も六甲道エリアの北には「六甲ケーブル下」駅があり、ケーブルカーで気軽に六甲山に登れる。
六甲山は神戸の外国人居留地に暮らしていた欧米人によって開発された。明治時代にはイギリス人により日本最初のゴルフ場「神戸ゴルフ倶楽部」もオープンしている。昭和初期になると六甲山麓に路線を持っていた阪急や阪神が観光開発を進め、神戸都心、大阪都心に近い観光地に発展した。現在は眼下に広がる1,000万ドルともいわれる夜景も有名だ。
「六甲山上」駅までケーブルカーで10分
六甲山に向かうケーブルカーが発着する「六甲ケーブル下」駅にはJR神戸線「六甲道」駅や阪急神戸線「六甲」駅などからバスがある。
「六甲ケーブル下」駅から「六甲山上」駅への距離は1.7kmで、ケーブルカーは10分かけて約500mの高低差を登っていく。「六甲山上」駅からバスで「六甲山頂」駅に行けば「有馬温泉」へのロープウェーもあり、ハイキングの後は温泉でのリフレッシュも楽しめる。
近代化産業遺産にもなった「六甲山ホテル」
かつてこの地には、1929(昭和4)年に開業した「六甲山ホテル」があった。優美な姿の本館は六甲山周辺リゾートのシンボルとして親しまれ、2007(平成19)年には国の近代化産業遺産にもなっている。しかし、耐震性の問題から2015(平成27)年に惜しまれつつ営業を終了した。
その後、改修工事が行われ、2019(令和元)年にレストラン「六甲山サイレンスリゾート」として当時の趣のまま復活。旧本館は、スイーツや軽食を提供するカフェテリアを中心に、アーカイブ・ギャラリーなどの展示スペース、イベントホールなどを備えた複合施設になっている。
動物との触れ合いを楽しめる「神戸市立六甲山牧場」
六甲山には「神戸市立六甲山牧場」もある。ここはスイスの山岳牧場を模して造られ、1976(昭和51)年から一般開放が始まった。
現在も馬や乳牛のほか、ヒツジやヤギも飼育しており、動物とのふれあいを楽しめるスポットもある。チーズフォンデュが名物のレストランや、乳製品の製造体験を楽しめる施設もあり、ファミリーのレジャーに人気だ。
冬にはスキー場も開かれる
六甲山ではスキーも楽しめる。「六甲山スノーパーク」は日本初の人工雪スキー場として1964(昭和39)年に誕生した。今も冬になると3本のコースが開設され、スキーやスノーボードなどのスクールも開かれる。そりや雪遊びができる場所もあり、小さな子ども連れで訪れても楽しめる。
神戸都心、大阪都心から短時間でアクセスでき、多彩な施設がそろう六甲山。ここは今も昔もレジャースポットとして高い人気を維持している。