阪神・淡路大震災後の復興で神戸東部副都心に発展
灘区は神戸市の東側に広がり、古くから邸宅街として知られる。JR「六甲道」駅周辺に広がる六甲道エリアは灘区の中心地だ。「六甲道」駅周辺は阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたものの、復興に際し神戸東部副都心として再開発が行われ、近代的な街並みに生まれ変わった。
近年は六甲道エリアの西側に「摩耶」駅が開業し、交通アクセスの利便性が向上するなど、暮らしやすい街として注目されている。六甲道エリアの中でも阪急神戸線付近の山側は邸宅街として発展したエリアで、今も閑静な街並みに恵まれている。
JR神戸線と阪急神戸線を利用可能
六甲道エリアの玄関口となる「六甲道」駅はJR神戸線の普通列車のほか快速列車も停車する主要駅だ。「六甲道」駅は1934(昭和9)年に阪神間の電車運転が始まった際に開業し、古くから拠点であったことがうかがえる。2016(平成28)年には「六甲道」駅と「灘」駅の間に「摩耶」駅も開業し、JR神戸線の普通列車が停車するようになった。
六甲道エリアの北側には阪急神戸線が通過し、「六甲」駅や「王子公園」駅も徒歩圏内で利用できる。
「灘区役所」がある灘区の行政の拠点
「神戸市 灘区役所」は「六甲道」駅前にあり、六甲道エリアは灘区の行政の拠点としても重要な役割を担う。庁舎は2004(平成16)年から現在地に移転して業務を行っている。
六甲道エリア周辺には体育館や集会室などを持つ「灘区文化センター」、コンサートなどの各種公演に使われる「灘区民ホール」など文化施設も多く、多彩な文化に親しめるのも魅力だ。
多彩な施設がそろう「王子公園」
阪急神戸線「王子公園」駅の北には「神戸市立王子動物園」や「王子スタジアム」、「神戸市立王子スポーツセンター」などがある「王子公園」が広がる。なかでも「神戸市立王子動物園」は1951(昭和26)年に開園した長い歴史を持つ動物園で、ジャイアントパンダとコアラをともに飼育していることでも知られる。
現在、「王子公園」ではリニューアル計画が進行中。老朽化した公園や動物園のリノベーションを行うとともに、新たな緑を創造。スポーツ施設を集約し、空いたスペースに大学キャンパスなど教育施設を誘致する予定で、さらなる魅力向上が期待される。
灘五郷の一角、西郷
灘区は日本有数の酒造地域、灘五郷の一角にあたる。六甲道エリアの南にはそのひとつである西郷が広がり、現在も沢の鶴株式会社や金盃酒造株式会社などが酒造りを続けている。沢の鶴株式会社にはかつての酒蔵を復元した「神戸・灘「昔の酒蔵」沢の鶴資料館」があり、この地の酒造りについて学べる。
灘区の拠点として発展し、伝統と文化が色濃く残る六甲道エリアでは、便利で味わい深い日々を楽しめるだろう。