充実した表参道・神宮前ライフを送る夫婦の過ごし方

かつては若者の街として知られた表参道・神宮前エリア。現在は若者から大人までが楽しめる、落ち着いて暮らせる街へと成熟を遂げている。有名ブランドの旗艦店などがそろう大型商業施設などの賑やかさは残しつつ、日常に癒しを与えてくれるスポットも新たに生まれ始めている。表参道・神宮前エリアの『今』を紹介する。

新しくオープンしたのに懐かしさを感じる商業施設！？駅前を少し離れた場所にも魅力的なショッピング環境がそろう

ののあおやま

集合住宅と商業施設、そして約3,500平方メートルの大規模緑地を備えた複合施設。1・2 階には、「森の商店街」をコンセプトとした商業ゾーンが備えられており、居住者や地域住民の利便性向上に繋がる飲食店や物販店が軒を連ねる。かつて大名屋敷のあった高台の地形や水脈を活かした「ビオトープ」や「芝生広場」が設けられた緑地空間を望みながら、ショッピングやグルメが楽しめる。これまでにない表参道エリアの魅力がつまった「ののあおやま」は、訪れるものに安らぎと癒しを与えてくれるに違いない。

骨董通り

「骨董通り」の最寄りは、東京メトロ「表参道」駅B1出口を出て「青山学院大学」方面に歩き、「南青山五丁目」交差点を左折。そこから東京都道412号線の「高樹町」交差点までの道だ。正式には「南町通り」といい、かつては渋谷から六本木へ抜けるためのメインストリートであった。名前の由来は、古美術鑑定家が名づけたという説や、付近に「小原流会館」などがある都合から骨董店が集まったことによるという説など、様々。現在は骨董店が減り、代わりに高級ブティックやレストラン、おしゃれなカフェなどが増えている。

国宝級の美術品を鑑賞できる美術館から最先端のトレンドを体感できる商業施設まで、楽しみの振り幅は無限大！

根津美術館内のカフェ

東武鉄道の社長などを務めた実業家・初代根津嘉一郎が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを保存し、展示するためにつくられた美術館。1940（昭和15）年の財団設立当時、4,643点だった所蔵品の数は、2021（令和3）年12月末の時点で、7,613点までに増え、国宝や重要文化財、重要美術品も多い。絵画、彫刻、陶磁、漆工、金工・武具など所蔵されている美術品の幅は広い。心を洗濯し、癒しを得たいとき、美術の世界に没入してみるのもいいだろう。

表参道ヒルズ

旧同潤会青山アパート跡地に華々しく誕生した「表参道ヒルズ」は、世界的に著名な建築家・安藤忠雄氏が設計。全長約250m、地上6階地下6階、延床面積3万4,061平方メートル、38戸の住宅、全196台の駐車場、そして、約100店舗の瀟洒なショップがひしめく商業施設で構成されている。オープン当初には、選ばれた大人のためという印象の店舗が多かったが、その後本館の地下2階にキッズのための店が集まるエリアも作られるなど、幅広い年齢層も楽しめる施設に用途拡大。もちろん表参道ヒルズならではの、他を圧倒するような高級感は健在だ。おしゃれな気分での買いものを楽しめることだろう。

世界屈指のシェフが腕を振るうレストランや、お腹も心も満たしてくれるおしゃれなカフェが点在する街

ロイヤルガーデンカフェ青山

「ロイヤルガーデンカフェ青山」は、「明治神宮外苑 いちょう並木」に面したカフェで、有機野菜を使用したメニューなど、身体に優しいメニューを揃え、安心・安全な食文化と、交流の場を地域に提供している。「サスティナブル（永続的な）コミュニティ」をコンセプトに、カフェと並行して天然酵母のベーカリーも販売。また、会食や結婚式などイベントスペースとしても利用することができ、各種パーティプランも用意されている。

キハチ 青山本店

フランス料理をベースに、創作洋食から焼き菓子、ケーキ、ソフトクリームまで、旬の食材を使って最高の美味しさを全国で出している熊谷喜八シェフの店「キハチ」。その総本店とも言える「キハチ 青山本店」は、神宮外苑の入口にある。コンセプトは「BY THE KITCHEN（バイ ザ キッチン）」。産地に出向いて素材を選び、持ち味を活かすためにジャンルを超える「キハチ」の躍動感に満ちたスタイルは、このいちょう並木に面した店でさらに進化した。イベントスペースにもなる開放的な空間で、シェフの自由な発想による「キハチ」流無国籍料理を楽しめる。

街路を彩るケヤキ並木に23区で5番目に大きい森林公園！自然に触れ合えるスポットもたくさん

表参道のケヤキ並木

もともと「表参道」とは、明治神宮の正面側参道として整備された道路のことであった。神社の植林とともに作られたこの参道は、現在、JR「原宿」駅前付近から表参道交差点付近まで約900mにわたって続く美しいケヤキ並木として知られる。1975（昭和50）年頃までは閑静な住宅街であったが、東京メトロ「明治神宮前〈原宿〉」駅の開業などにより、現在のような繁華街へ変貌を遂げた。文化・流行の発信地でもあり、並木道に沿って、「表参道ヒルズ」やブランドショップ、カフェなどが立ち並ぶ。クリスマスの時期にはイルミネーションイベントが行われることもある。

代々木公園

1967（昭和42）年に開園した大型都市公園の「代々木公園」。約54ヘクタールの広大な敷地には1万本を超える樹木が生い茂り、森林公園として多くの人たちの憩いの場として親しまれてきた。1991（平成3）年には高さ15ｍ～30mの大小3基の噴水と、水回廊をもつ水景施設が完成。水と緑に恵まれた公園として生まれ変わった。イベント広場や野外ステージでは、フリーマーケットやコンサートなどの催しを随時開催。また、陸上競技場、サッカー場といったスポーツ施設も完備しており、市民のスポーツ活動の拠点としても親しまれている。園内のサイクリングコースを楽しめるよう自転車の貸し出し（有料）も行っているので、緑豊かな公園の中を走り抜ければ気分爽快になるはずだ。